ハイズン刺繍プロジェクト

ベトナム農村部にある刺繍の村で、確かな技術力と表現力のある伝統技術が失われつつあります。

女性職人への雇用創出、伝統技術の継承にご協力頂けるプロジェクトパートナーを募集しております。

ストーリー

経済発展に取り残される農村部

1986年より実施されたドイモイ政策により、市場経済システムが導入されたベトナムは近年高い経済成長を見せています。

ベトナムでは平均年齢が28歳と若く、労働者人口が全人口の過半数を占めていることから、今後の経済発展が益々期待されています。経済発展著しいベトナムですが、依然として都市部と農村部での発展には大きな格差があり、労働者が都市部に集中することで、農村地域の生活改善が遅れています。

首都ハノイと外港都市ハイフォン、世界的観光地でもあるハロン湾の中間に位置するハイズン省。ハノイ市中心地からは車で1.5時間と交通の要地でもあるため、外資の工場進出が盛んな省です。若い労働者は省内の外資工場に働きに出る一方で、年配の女性や農村部の人たちは都市部の発展から取り残されている現状があります。

かつては刺繍産業で栄えた村では、工業化や自動化、グローバリゼーションの余波を受け、村の刺繍産業は衰退し、多くの女性職人が生活のために刺繍を施す手を止めました。

国の発展に伴い人々を取り巻く環境も変化し、ある農村ではこれまで受け継がれてきた「刺繍」を糧としたライフスタイルが崩れつつある状況です。

「細かく丁寧に刺繍を施し、美しいドレスやシャツを作ることが好きなんです」

「細かく丁寧に刺繍を施し、美しいドレスやシャツを作ることが好きなんです」刺繍の村で生まれ、両親や祖父母から刺繍を教わり成長した一人の女性の言葉です。彼女が村を離れて都市部の工場で働けば、経済的には今よりも豊かになるでしょう。

しかし、子供や家族と離れて生活をおくることになり、それは彼女が望む幸せなライフスタイルではありません。彼女は自分の生まれ育った村に残り、刺繍を糧とする生活を選択しました。

家族、生活、村の女性としての誇り、受け継がれてきた生活習慣など、彼女たちが大切にしているたくさん想いがハイズン刺繍には込められています。

ハイズン刺繍の魅力

その1.丹精を込めた緻密な表現力と再現力

緻密で美しい刺繍は、一針一針長い時間をかけて、丹精を込めて作り出されます。

たくさんの色糸を使いこなし、鮮やかな色彩を絵画のように再現することができます。

その2. 両面刺繍の優れた技術力

通常、刺繍は表面から見ることを前提に施されますが、女性たち

の高い技術力により施される両面刺繍では裏表どちらからも美

しい絵柄を見ることができます。薄いシルクやレース素材へ施す

その3.「作業」ではなく、「気持ち」の刺繍


昔から、村の女性たちは自分の気持ちを伝えるために、想いを寄せた人のハンカチや枕カバーなどに刺繍を施していました。また、幼い子供には、かわいい鳥や小さな花の刺繍を施し、自分の気持ちを伝えていました。

村の女性たちとって、刺繍は生活を支える大切な仕事ですが、気持ちを伝えるコミュニケーションツールでもあります。そして、彼女たちは刺繍を通じて世界の人たちと繋がることを夢見ています。と、立体感や躍動感が生まれ製品に息吹が吹き込まれます。

製品イメージ

ハンカチやカーテンなどの布製品、洋服はもちろんバックや傘などの服飾小物など、さまざまな製品への刺繍が可能です。

MP研究会では、2007年よりベトナム現地の職業訓練施設と協力し、

経済発展に取り残されやすい女性たちへ無料の刺繍技術プログラムを提供してきました。

技術を身につけた女性たちへの雇用創出、農村部の生活改善、伝統技術の継承に是非ご協力をお願い致しま