ブイ  フイ  ホアン

BUI HUY HOANG

Profile & Message

2003年 静岡県にある日本語学校で留学の夢を実現 

2005年 思い切って願書を出した3件の国立大学にすべて不合格在留資格延長のため、名古屋大学聴講生コースに入校

2006年 国立大学に再挑戦。留学3年目で見事に名古屋大学に合格

2007年 在日ベトナム青年学生東海支部副代表に任命

2008年     愛知県留学生会後援会代表、

  在日ベトナム青年学生東海支部代表に任命 

2011年  名古屋大学 修士課程修了

株式会社マキタ 入社  

失敗しても諦めずに。失敗を2度繰り返さずに、その失敗から学んだことを今後の成功につなげる方法を考えよう。

初めての大きな失敗

国家賞受賞者に与えられた大学直入資格を辞めて、2年後に日本の国立大学に合格できるように、静岡県にある日本語学校に入学し、留学の道のりを踏み切り始めました。

来日したばかりの多くの留学生と同じく、レストランでのキッチンや先輩に紹介してもらった会社でのフォトシショップを使った画像処理業務等、様々なバイトをやっていました。

「学校よりもバイトの方に時間を使ってしまっているな」とたまに反省しましたが、「大学に入ってからの学費や生活費をいっぱい節約しておかなきゃ~」と考えると、それ以降深くは考えることが出来ず、そのままバイトの日々を続けていました。

日本語学校2年生の時、思い切って国立大学3校(静岡大学、三重大学と豊橋大学)に願書を出しましたが、

 結果はまさかの全滅でした。

当時の在留資格の期限は2005年3月27日はしたが、3月の上旬に不合格通知書が続々と家に届きました。

「悔しい」、「悲しい」、「不安」。。。そんな気持ちでいっぱいでした。

大学の入学準備で次々と都会に出てしまった同級生を見る度に、在留の期限の延長で頭がいっぱいな自分を増々と情けなく感じてきました。でも、今さらベトナムに帰ってもまたゼロからのスタートしかないし、もう戻る道がないと自覚しました。

幸いなことに、先輩のご紹介で、名古屋大学の聴講生コースに入学することが出来ました。そして、聴講生としてもう1年間日本に在留する資格も取得できました。

その失敗をきっかけで、今までの自分の留学の道、そして、今後の進路について色々と考え直してみました。


失敗から気づいたこと

  まだまだ金額に余裕はありませんでしたが、アルバイトは生活費が稼げる程度に減らして、大学受験勉強に力を入れました。

 正直、将来に対しては不安いっぱいでしたが、一度だけでも思い切って学生らしい学生生活を体験しようと決心しました。そして、愛知県や名古屋市で活動している留学生会等のボランティア活動や、交流イベントにも参加し始めました。自分の視野や人脈が広がり、日本語も上達するので、とてもいい体験になるなと思ったからです。

 あの失敗から1年後、再び国立大学の入試に挑戦しました。

 今度は見事に名古屋大学、三重大学、そして豊橋大学とすべて申請した大学に合格出来ました。名古屋大学に進学し、2年生の頃には、 在日ベトナム青年学生東海支部副代表に任命され、翌年には愛知県留学生会後援会の代表も同時に勤めることになりました。

それ以降、家賃が非常に安い学生会館に入れてもらったり、奨学金をそれぞれの組織から頂いたりするチャンスが次々とやってきましたが、ボランティア活動や留学生会に積極的に参加したことが、審査の際に評価されたようです。

アルバイトでいっぱい貯金できたことよりも、留学中に経験することの方が大事だと、失敗して初めて気づきました。


皆さんへのメッセージ

その失敗から10年間後。12年間日本に住んでいる私の話や経験等を是非とも後輩たちに聞かせたいとMPKENに勤めたお友達から声をかけられた時に、当時の話を思い出しました。

 多くの留学生が日本に来たこの5月のシーズン。留学の生活でワクワクしながらも今後の進路に悩んでいる、もしくは、10年前の私みたいに期待しない結果で落ち込んでしまった学生も少なくはないかと思います。

私の話が、少しでも皆さんに支えや刺激になればいいなと思います。

失敗は誰でもいつか直面するものです。若者ほど失敗をする可能性が高い。

でも失敗は絶対恥ずかしいものではない。むしろ自分を見直すための良いチャンスです。


『失敗しても諦めずに。

 失敗が2回と繰り返さずに、その失敗から学んだことを今後の成功につなげる方法を考えよう』