ベトナム人を褒めるとき① 「日本語が上手」は皮肉に聞こえる!?
2020/02/07
いっしょに働いているベトナム人に「日本語が上手ですね!」と言って褒めた経験がありませんか?
外国人が日本語を話しているのを聞くと「日本語が上手」とつい感心してしまうのが日本人あるあるですね。ベトナム人たちも「日本語が上手」と言われると嬉しいと思うのですが、時には皮肉に聞こえてしまうので要注意です!
例えば、来日したばかりで日本語がカタコトで少し話せるぐらいのベトナム人といっしょに働いているとします。一生懸命日本語で話している姿を見て「日本語が上手ですね」と言ってもベトナム人にとっては褒められたと感じません。
なぜ褒められたと感じないのか?それはそもそも来日したばかりなので、本人は日本語はまだ全然できないと実感しているからです。日本語がまだできないのに急に褒められて戸惑い、そしてこれが日本人得意の建前というものか、皮肉なのではと勘ぐってしまいます。つまり、誉め言葉として心に響いていかないのです。
これはベトナム人に限らず誰しも経験があるのではないでしょうか?例えば、字が下手だと自覚しているのに他の人が自分の字を見て「きれいに書きますね」と言われたときは、嬉しさではなく恥ずかしさを感じます。足が遅いのに「速いじゃん」と言われたときはからかわれているように聞こえます。自分の中に劣等感があるものに対しては褒められても嬉しくないのです。
日本語を頑張っているベトナム人に対しては「もっと日本語を頑張ろう!」と言って構いません。むしろ「日本語の単語を覚えていないから、この言葉は覚えてください」や「聞く力をもっと練習してください」という具体的なアドバイスをもらえる方が喜びます。成長したい気持ちが強い国民なのです。
しかし、日本語が以前よりも上達したら褒めてあげたいと思いますよね。そんなとき、ベトナム人社員やスタッフに何と言って褒めてあげるのが正解なのでしょうか?答えは、本人の努力の成果を褒めてあげることです。「3か月でこんなに話すスピードが速くなったのはすごいですね」、「日本語の指示の理解も前よりもできるようになりましたね」など、具体的に何が上達したのか褒めてあげることがポイントです。
実はこの努力の成果を褒めるということは日本人にも使えると思いませんか?外国人社員を採用すると社内のコミュニケーションが増え、雰囲気が良くなる会社が多いです。日本人同士なら阿吽の呼吸でわかるだろうといったことが、外国人が入ることで指示が具体的になったり、頑張っていることを褒めたりとコミュニケーションが活発になるからなのです。